研究開発概要
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研究開発の内容

複合材の新たな成形技術の開発

 航空機機体主要構造物をターゲットとした複合材の革新的な低コスト製造技術・品質評価技術を開発し、秋田県での複合材製造、製造装置・検査装置の事業化と機体主要構造物の製造拠点の創生を図るとともに、中期的な出口戦略として自動車分野や公共インフラ補修分野等での開発および事業化策について取り組みしていく。

実用化の方向性

 独自技術である微小金属体を用いた電場加熱、磁場加熱による複合材成形技術により、現在のオートクレーブ法に比較して圧倒的な低コスト製造技術を確立する。
また、複合材の組立は、生産効率の低いボルト接合が用いられているが、接着品質を非破壊で検査する技術を確立することにより、生産性の高い接着での組立を可能とする。

事業化の目途の時期

 航空機構造物に関しては、10年後を目処に新型旅客機で実用化を目指し、自動車や土木インフラ補修等の分野では、2年から5年後を目処に順次、実用化を図っていく。

現状の課題等

現状の航空機構造物(複合材)の接合方法

複合材接着品質の非破壊検査技術が確立されておらず、接着構造対する信頼性が低い(米国FAA/EU EASA)。

このため、重量増・コスト増となるボルトによる結合に頼らざるを得ないのが実情。

  • 複合材贅肉付構造とボトルによる重量増で、全体として小型旅客機では複合材軽量メリットを活かせない。
  • 腐食無しのメリットがあっても、製造コスト大では、複合材は採用されない。

接着品質の非破壊検査技術を確立し、接着構造の信頼性を得ることが重要。

開発する接合検査技術

電気的特性を用いたWeak Bond ※検出手法を確立する。

※Weak Bond
接着プロセス不良や異物の混入により接着強度が不十分な状態。現状の非破壊検査技術では検出困難。